今日本の接客業は、さらに1つ上を目指しています。日本の接客はマニュアルであろうと、気持ちがなかろうと、礼儀が正しく、言葉遣いも丁寧で、対応も親切です。でもそれはどんな小規模のお店でも出来ていると思います。お店によってランクなどは正直あると思いますが、全体を比べても天と地ほどの差はない気がします。だからこそ今の接客業は他と差をつけるため、サービスを増やそう。もっと細かくお客様に気を遣おう。という新たなことを始めようとしていると思います。
海外の接客業はすごく値が張るお店じゃない限り、店員にそれぞれ任せられている気がします。おおまかなマニュアルはあるにしろ、日本のように細かく設定はしてないし、おおまかなマニュアルすら守ってるか分かりません。だからこそ感じるものもあります。
先日ランチに、あるケバブ屋さんに初めて行って、お兄さんにメニュー番号2番のセットとコーラを頼みました。そして、今日また同じケバブ屋に行ってきました。するとあのときのお兄さんがいて、僕に
「こんにちは。お兄さん!!また来てくれたの?? 今日も2番のメニュー?(笑)」
2度目の僕を覚えていてくれていました。そして前回頼んだメニューまで。そして、飲み物を頼もうとすると、ニヤリと笑って
「Coke?」
飲み物も覚えていました。
お客さんとして、すごく嬉しかったです。
もちろん礼儀が正しいわけでも、言葉遣いが丁寧なわけではありません。でも日本の接客なんかよりもずっと心地よかったのです。お兄さんの何気ない一言に心が温まりました。
日本でこのことを話したとしたら、お客様が頼んだメニューを必ず記録する。そして、必ず次のご来店の際、お客様に話す。などといった、マニュアルをすぐ作ると思います。実際にやってるお店もあると思いますし、僕がいたお店でもやっていました。お客さんからしたら、マニュアルだろうが、そうじゃなかろうが、結果的に嬉しいので気にしないと思います。でもこのとき、マニュアルじゃないと分かっているからこそ、お兄さんのただの人柄から出た言葉だと分かっていたからこそ、響くものがありました。その後も
「味つけどう??」
おいしいと答えると、
「ありがとう!!」と満面の笑みで。
自然とまた来たいなって思いました。
お兄さんからしたら狙って言った言葉でないかもしれないが、相手を思って言う何気ない一言が心を大きく動かすときがあります。
さらに今日、床屋で初めてお会いしたお客さんが、いきなり
「Hi! Aki! You're right?」(よっ!アキ!元気かい?)
って。勉強しに来ている僕を気にかけて言ってくれた言葉でした。
スタッフが僕を紹介してくれていたらしいのですが、とても驚いた。そして嬉しかった。
好奇心や探求心が上回っていただけで、どこか、黒人の中に1人日本人という環境がさみしかったのかもしれない。その言葉にじーんと来るものがあった。
帰り際、
「アキ、勉強頑張れよ!」と言ってくれ、
僕らはこぶしを重ねました。
2つとも何気ない一言です。でも僕にとって大きな一言です。
たくさんのサービスや細かな気遣いのマニュアル、決められた丁寧な言葉。
そんなのものよりずっと大切なことに思えます。