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執筆者の写真Akira Sugawara

職人


 職人とは自ら身につけた熟練した技術によって、手作業で物を作り出すことを職業とする人のことである。職人と呼ばれる職業には、もの作り・伝統工芸・建築・土木・食関連・サービスといったものがあります。中には、資格が存在するものもあります。美容師も資格が必要とするものの1つです。ですが、職人と呼ばれる職業に入っているにもかかわらず、一般の方々にはその認識がされているか。美容師の方々は自覚しているのか。職人という自覚をもってやっている人はどれくらいいるのでしょうか。少なくとも一昔前は、美容師は職人だったと思います。

 近年、美容師という職業が隙間産業になっていると聞いて、愕然としました。今この職業は、日本だとあってもなくてもいい職業のようです。

 ですが、この仕事は人の一部を作りあげるものです。人の印象を変え、時には人生を変えるきっかけにもなりうると思います。もっと必要とされていいはずですし、誇れる職業だと思っています。ですが、日本ではチャラチャラしている人が多く、品がなくて、イメージもあまりよくありません。美容師と言うだけで、身を構える人だって少なくないと思います。他の職人さんと比べても浅はかで、とてもじゃないですが自信をもって職人と言うことができません。一般の方々も美容師は職人だ。認めている方は少ないと思います。

 職人さんは思いを持って仕事をしています。熟練した技術によって、手作業でモノをつくるのですから、その思いは手からモノに伝わります。だからこそ手づくりされたモノはエネルギーがあり、温かみすら感じます。

 日本を出て、2軒の床屋にお世話になり、いろんな理容師の方々にお会いし、その技術を見てきました。僕はどの方も職人さんに見えました。作業が細かくて、繊細で、毛の一本までこだわっています。どこか作品作りをしているかのようです。むしろ本来は対人間かもしれないが、作品を作る感覚が当たり前なのだと思う。お客様を1人1人を1つの作品として、扱うべきなのです。こっちでは自分の髪を、彼氏、彼女、家族にすら触れさせない人もいます。お客様がそういう認識をしているのだと思います。

 ヨーロッパのある国では、自分の人生の中で必要な職業を3つ答えてくださいという質問に多くの方が3つの中に美容師をいれたそうです。

 人の認識はそう簡単に変わるものではないですし、今の現状は美容師自身がまいた種です。少なからず、美容師の方々には、自分自身が職人という認識をし、誇りを持ってもらいたいです。認識をすれば言動や行動、仕事に対する意識が変わってくると思います。

 いつか美容師という職業が再び、職人と思ってもらえる日が来てほしいです。


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