今回は、人の上に立つものの立場に対して考えた事をつぶやきたいと思います。
僕が新人で会社に入ったとき、右も左も分からない状態でした。それは当たり前のように聞こえますが、僕は美容専門学校の通信課程に通いながら、18歳からサロンで働くという選択をしたので、サロンで働き始めたころは、美容師としての知ってる情報は皆無に等しい感じでした。左右どころか360度分からないと言ってもいいくらいでした。もちろん息するのがやっとで、先輩が言ってることなどほぼわかりませんでした。なんとなくわかったつもりでいただけだったと思います。それから、1年、2年経って、あの時言いたかったことはこういうことだったのかと思ったことは、ほんのわずかです。ほとんどが未解決のままですし、新しい課題がどんどん出てきます。
でも今思うことは、それらは分かるはずがなかったということです。僕に何か指導してくださる先輩方は字の通り先輩なわけです。自分よりも多くのことを経験してきているし、知らない世界をたくさん知っています。新人が、そのキャリアのある人の言うことが理解できるわけがなかったです。先輩はそのキャリアを経て、今まで経験を踏まえて、そして今の立場から考えつくことを言うわけです。その経験もしてない、その立場にいない者が理解できるわけがありませんでした。
僕が1年2年経過しても、新人の時、当時1・2年目だった先輩がおっしゃった言葉の意味しか分かりません。自分のキャリアが2年になれば、5年だった先輩は7年に、8年だった先輩は10年になっています。先輩方は、後輩たちが知らない立場にいます。環境にいます。だから後輩たちは、先輩と同じキャリアを持って、同じ環境、立場にならないとその言葉の本当の意味は分からないと思います。
だからこそ、上に立つ者は下を“導く者“なのではないかと思っています。自分の立場からの言葉をかけても、その言葉の真髄は決して後輩には伝わりません。だからこそ、自分が思う方向に、思う道に導くのが、上に立つ人がするべき行動なのかなと思います。きっと先輩が言った言葉の真髄に気づくのはまだまだ先です。同じ経験をして、同じ立場になっていくにつれて、理解してくれるはずです。相手に相手が分からないことを永遠に言っても無駄です。先輩が歩んできた道が失敗したのであれば、その道に歩かないように誘導し、成功したのであれば、その道を歩くように誘導することが大切だと思いました。先輩たちが言いたいことが伝わらないのであれば、その方向に誘導すればいいと思います。
よく学生のころ、部活で先輩が後輩にイライラしているところを見かけます。3年生にとって、最後の舞台というのは、想いが違います。今までの積み上げてきたもの、努力してきたものがあります。負けたら終わり、失敗したら終わりというプレッシャーもあります。ですが、そのとき、3年生だから思う想いを1・2年生は理解できません。分かっていると言う人もあくまで分かっているつもりに過ぎません。本当に理解できるのは、1・2年後3年生と同じ立場になったときです。そんな3年生の想いが分からないことは仕方がないことです。でもその想いとは裏腹の後輩の行動に先輩たちはイライラしてしまうものです。押しつけも良くありませんし、そこで感情をあらわにしても、言葉の真髄は伝わらないです。
分からない者は導いてあげればいいと思います。
僕はもし人の上に立つことがあるとしたら、そういうことを意識して行動したいです。